子どもの頃から、私の生活の真ん中にはいつもアトピーがありました。
毎月、皮膚科に通う。
薬を毎日飲む。
お風呂のあとに薬を塗るか。
どんな服を着るか。
何を食べるか。
部屋の湿度は足りているか。
今振り返ると、「配慮すること」で一日ができていた気がします。
悪くならないように、これ以上つらくならないように。
そのために頭の中の多くを使っていました。
あの頃の私は、
生きること=アトピーと付き合うこと、
と言っても大げさではなかったと思います。
もちろん今も、通院はしますし、薬も使います。
服や食事、乾燥にもそれなりに気をつけています。
やっていること自体は、実はそんなに変わっていません。
でも、決定的に違うなと思うのは、
「考えている時間」でした。
いつからだろう、と考えると、
大人になって、趣味に使う時間が増えてからだった気がします。
夢中になれることができて、
仕事が終わったらそのことを考える。
休みの日も、次は何をしようかなと考える。
アトピーについて考える時間がゼロになったわけではないのに、
心の真ん中に置いているものが、
少しずつ入れ替わっていった感じでした。
子どもの頃より症状が落ち着いている、というのも大きいと思います。
指の割れや強い赤みで泣きたくなる、
そんな日は今はだいぶ減りました。
だからこそ、
毎日のケアが
「重大な任務」から
「いつものルーティン」になったのかもしれません。
歯を磨くみたいに、
顔を洗うみたいに、
やるのが当たり前のこと。
やるけれど、それ以上は考え込まない。
昔は、少しかゆみが出るだけで
「悪くなったらどうしよう」と不安になっていました。
今もゼロではないけれど、
「あ、今日はちょっと強いな」
くらいで受け止められる日が増えました。
それよりも、
今日の予定とか、
会いたい人とか、
楽しみにしていることのほうが大きくなった。
これが、私の中ではとても大きな変化でした。
もちろん、症状がひどくなる時期もあります。
そういう時は、またアトピーが前に出てきます。
無理に趣味を優先しようとしても難しい。
そのときはちゃんと、肌のことを中心に戻す。
でも、落ち着いているときまで
ずっと深刻でい続けなくてもいいのかな、と
今は思っています。
心の中心に、
楽しいことや安心できるものがあると、
アトピーは少しだけ端のほうにいてくれる。
完全に消えることはないけれど、
主役ではなくなる瞬間がある。
それを知れたのは、私にとって救いでした。
もし今、
毎日がアトピーでいっぱいだと感じている人がいたら、
いつかほんの少しだけ
他のものに心が移る日が来るかもしれません。
大きなきっかけじゃなくて、
好きなドラマでも、
ちょっとした楽しみでも。
そんな小さなことからでも、
案外変わっていくことがあるのだと思います。
私が生活の中で続けているケアや、
ルーティンにしてしまうことで気持ちが軽くなったものは、
別の記事にまとめています。
特別なことではないけれど、
「考えなくてよくする工夫」として、
誰かの参考になる部分があればうれしいです。
アトピーは、たしかに長い付き合いです。
でも、人生の全部でなくてもいい。
そう思えたあの日から、
毎日は少しだけ広くなりました。