アトピーと通院

アトピーと通院。
これはたぶん、多くの人が一度は悩むテーマだと思います。


皮膚科に通うとなると、だいたい選択肢は二つに分かれる気がします。
ひとつは「家や職場の近くの、最寄りの皮膚科」。
もうひとつは「電車に乗ってでも行く、評判の良い皮膚科」。
私自身、どちらにも通った経験があります。


若い頃は「アトピーは専門の先生じゃないと」と思って、口コミを調べて遠くまで通った時期もありましたし、忙しくなってからは「とりあえず近くで」と、最寄りの皮膚科にお世話になったこともあります。


正直なところ、今はアトピーはもう珍しい病気ではありません。
患者数も多いですし、皮膚科の先生なら誰でも診たことがある。そう考えると、「どちらが正解」とは言い切れなくなりました。


ただ、ひとつだけ、私の中で基準になっていることがあります。
それは、「この先生は、私のアトピーに向き合ってくれていると感じられるかどうか」です。
例えば、診察室に入って、ほとんど話も聞かれず、毎回同じ飲み薬と塗り薬だけ出される。
症状が変わっても、生活が変わっても、特に何も変わらない。
そういう状態が続くと、「通っている意味はあるのかな」と、少し考えてしまいます。
もちろん、薬を出し続けること自体が悪いわけではありません。
それで安定している人もいると思いますし、忙しい診療の中では仕方ない部分もあると思います。
ただ私は、「このまま同じことを続けるだけなのかな」と感じたら、他の病院を探すこともあります。


実際、以前通っていた皮膚科では、保湿剤の使い方をかなり丁寧に提案してくれました。
どのタイミングで、どれくらいの量を使うか。
「薬だけじゃなく、肌を守ることも大事ですよ」と言われたのが、印象に残っています。


一方、今通っている皮膚科では、注射治療のデュピクセントを提案されました。
最初は正直、少し驚きましたし、迷いもありました。
でも、「今の状態なら、こういう選択肢もあります」と、メリットもデメリットも説明してくれて、「この人は、ちゃんと私のアトピーを見て考えてくれている」と感じました。


通院していて安心できるかどうかは、距離や評判だけでは決まらない気がします。
近くても信頼できる先生なら、無理なく続けられますし、
遠くても「この先生に診てもらいたい」と思えれば、通う価値はある。


アトピーは、短期間で終わる病気ではありません。
だからこそ、「通いやすさ」や「自分が納得できるか」は、とても大事だと思っています。
「せっかく通っているんだから」と無理に我慢する必要もないですし、
「評判がいいから」と自分に合わない病院に通い続ける必要もない。
合わなければ変えてもいいし、また戻ってもいい。私はそう考えるようになりました。
通院は、治すためだけのものではなくて、
「今の自分の状態を一緒に考えてくれる人を見つける作業」なのかもしれません。


近くの皮膚科でも、遠くの皮膚科でも。
「この先生は向き合ってくれている」と感じられるなら、それで十分。
アトピーと長く付き合う中で、そう思える場所がひとつあるだけで、気持ちはかなり違います。