子どものアトピーを前に、親が疲れてしまったとき

子どものアトピーを前にして、親のほうが先に疲れてしまう。
これは、決して珍しいことではないと思います。

私自身がアトピーの当事者ですが、子どもの頃を振り返ると、いちばん大変だったのは、もしかしたら両親だったのかもしれません。病院に連れて行き、薬を塗り、食事に気をつけ、情報を集めて……それを毎日、何年も続ける。想像するだけで、しんどいです。

特に、「この子がこのまま思春期を迎えたらどうなるんだろう」と考え始めると、不安はどんどん膨らむと思います。
実際、アトピーを持ったまま思春期に入ると、見た目のこと、人との距離感、自己肯定感など、いろいろな壁にぶつかりやすいのは事実だと思います。だからこそ、「できるなら小さいうちに、少しでも良くしてあげたい」と願うのは、とても自然な気持ちです。

でも、そこで親のほうが疲れ切ってしまったら、毎日は回らなくなります。
そんなとき、私がそっとおすすめしたい考え方があります。

それは、「今、自分はやるべきことができているか?」と、自分に質問してみることです。

病院には連れて行っているか。
処方された薬や保湿は、無理のない範囲で続けているか。
子どもの話を、できるだけ聞こうとしているか。

もし、「できている」と思えるなら、それで十分です。
それ以上できない日があっても、自分を責めなくていいと思います。
むしろ、「ここまでよくやっている」と、自分を許してあげてほしいです。

私の経験から言うと、アトピーそのものよりも、後々まで影響するのは「気持ち」の部分でした。
周りと違う自分を、どう受け止めるか。
つらいときに、誰にどう頼るか。
それを支えてくれる大人がいる、という安心感。

思春期にぶつかる「アトピーゆえの壁」は、症状の重さだけで決まるものではない気がします。
「自分はダメなんだ」と思ってしまうか、
「大変だけど、なんとかなる」と思えるか。
その差は、とても大きいです。

だから、もし今、アトピーのケアに疲れてしまっているなら、方向を少しだけ広げてみてもいいのかもしれません。
「治すためにできること」だけでなく、
「壁にぶつかったとき、乗り越えられる力を育てること」。

それは、
・つらいときに気持ちを言葉にしていい、と伝えること
・失敗しても、責めすぎなくていいと示すこと
・アトピーがあっても、大切な存在だと、態度で伝えること

そんな日常の積み重ねだと思います。

アトピーは、すぐに結果が出ない病気です。
だからこそ、親も子も、長距離を走るつもりでいたほうが、少しラクかもしれません。

治療やケアの方法については、医師と相談しながら、その家庭に合ったやり方を選ぶのが一番だと思います。世の中にはいろいろな情報や商品がありますが、「無理なく続くかどうか」を基準に考えるだけでも、負担は減ります。

親が笑っていること。
それだけで、子どもはずいぶん救われます。

疲れてしまったら、立ち止まっていい。
できていることを数えていい。
そして、「今はこれでいい」と、自分に言ってあげていい。

アトピーのある子どもを育てているご両親は、もう十分、頑張っています。
これから先の壁に備えるためにも、まずは親自身が、少し息をつけること。
それも、大切な「ケア」のひとつだと、私は思います。