アトピーと「普通の生活」の基準

「普通の生活って、どこからどこまでなんだろう」
アトピーと一緒に生きていると、何度もそんなことを考えてきました。

そんな私が、ずっと心に残っている言葉があります。
テレビか本だったかはもう覚えていませんが、
「『みんな』なんて、いないんだよ」
というセリフです。

健康そうに見える人でも、実は毎日スキンケアに時間をかけていたり。
食事にすごく気をつかっていたり。
睡眠の取り方や運動、仕事のペースに、細かい工夫やこだわりがあったり。

アトピーがある私だけが、生活に工夫をしているわけじゃない。
やっている内容は違っても、「自分の体や心に合わせて調整している」という意味では、案外みんな同じなんだな、と思うようになりました。

アトピーがあると、
「それって普通じゃないよね」
「そこまで気にするの?」
と言われることもあります。

でも、よく考えると、誰かにとっての「普通」は、別の誰かにとっては「大変」だったりします。
逆も同じです。

今の私の中での「普通の生活」の基準は、とてもシンプルです。
仕事や学校に、無理なく行けているかどうか。
それだけです。

もちろん、完璧じゃなくていい。
途中で休んだり、調子が悪い日があったりしても、「生活が成り立っている」なら、それは十分「普通」の範囲だと思っています。

だって、アトピーがなくても、
仕事がつらい人
人間関係で悩んでいる人
体調が安定しない人
将来が不安な人
いくらでもいます。

悩みの種類が違うだけで、「何も問題のない人」なんて、たぶんほとんどいません。

昔の私は、「アトピーがある自分は普通じゃない」と思い込んでいました。
でも今は、
「アトピーだけど、私は普通」
そう思っています。

スキンケアをして、食べ物を選んで、服の素材を気にして、生活リズムを整える。
それは、特別なことではなくて、私の生活の一部です。

たまに、「そんなに気をつけて大変じゃない?」と聞かれることもあります。
でも正直なところ、それをやらないほうが、私には大変です。
無理をして悪化して、生活が回らなくなるほうが、ずっとしんどい。

だから私は、「普通」に合わせるよりも、「自分の普通」を大事にしています。

アトピーがあるから、普通じゃない。
ではなくて、
アトピーがあっても、普通に生きている。

この言い換えだけで、気持ちはずいぶん軽くなりました。

もし今、「自分は普通じゃない」と感じている人がいたら、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいです。
その「普通」は、誰の基準なのか。
そして、本当にそこに合わせる必要があるのか。

「みんな」がいない世界で、
自分なりに生活が回っているなら、それはもう立派な「普通」だと、私は思います。

アトピーがあっても、なくても。
悩みがあっても、工夫が必要でも。
「私は普通」と思っていて、いいのだと思います。