今は私は、「アトピーは治らないもの」と受け入れて生活しています。
こう書くと、少し投げやりに聞こえるかもしれませんが、実際はその逆で、受け入れられたことで、気持ちはだいぶラクになりました。
でも、ここに至るまでには長い時間がかかっています。
正直に言うと、昔の私は「どうにかして治したい」と強く思っていました。小さい頃からアトピーがあって、「大人になったら治るよ」と言われ続けてきたので、その言葉をずっと信じていたのだと思います。
社会人になってもアトピーは続きました。症状の出方は変わっても、なくなることはありませんでした。その頃の私は、今思えば、かなり必死でした。「治すためなら何でもやる」くらいの気持ちで、情報を探し続けていました。
特に気にしていたのが、「治すための食事」や「サプリメント」の情報です。
砂糖が悪い、乳製品が悪い、小麦が悪い。逆に、これを食べると良い、これを飲むと改善する。そういった情報を、ネットや本で見つけては試していました。
でも、どれも決定打にはなりませんでした。一時的に良い気がしても、結局は元に戻る。そのたびに、「やり方が悪いのかも」「もっと徹底しないとダメなのかも」と、自分を責めるようになっていました。
今振り返ると、あの頃は「藁をもすがる」状態だったと思います。
確かな根拠があるかどうかよりも、「治る可能性がある」という言葉にすがっていました。希望を持ちたい気持ちが強すぎて、不確かな情報を見分ける余裕がなかったのかもしれません。
ある時、ふと疲れてしまいました。
どれだけ頑張っても、何年経っても、アトピーは続いている。その現実を前にして、「もしかしたら、治らないのかもしれない」と初めてちゃんと考えました。
最初は、その考えを受け入れるのが怖かったです。「治らない」と思ってしまったら、何もかも終わってしまう気がしていました。でも、実際に受け入れてみると、意外とそうではありませんでした。
「治すために何かを探す」のを、やめました。
怪しげな健康食品の広告を深追いするのもやめました。誰かの体験談を見て、「私もやらなきゃ」と焦るのも、やめました。
その代わりに、「今の自分が少しラクに過ごせるかどうか」を基準に考えるようになりました。
食事も、完璧を目指すのではなく、体調を見ながら。スキンケアも、「これで治す」ではなく、「これで今日は落ち着くかどうか」。
やっていること自体は、昔とそれほど変わっていないかもしれません。でも、気持ちはまったく違います。「治らない現実」を受け入れたことで、無理をしなくなりました。
アトピーは治らない、と考えるのは、負けではないと思っています。
むしろ、現実を直視したことで、自分を追い詰めなくなった。それだけで、十分価値があったと思います。
今も、何かを選ぶときには、皮膚科の先生の話を聞いたり、信頼できそうな情報を参考にしています。ただ、「奇跡の改善」を探し回ることはなくなりました。
もし今、同じように必死で情報を集めている人がいたら、無理にやめる必要はありません。でも、少し疲れているなら、「探すのを休む」という選択も、あっていいと思います。
治らなくても、生きていける。
アトピーがあっても、楽しめることはある。
そう思えた今のほうが、私は前よりずっと穏やかに過ごせています。
このブログでは、そんな「受け入れたあと」の気づきも、少しずつ書いていくつもりです。誰かの肩の力が、ほんの少しでも抜けたら、それで十分だと思っています。