小さい頃から、私はずっと「アトピーを治したい」と思ってきました。
治すために何ができるかを考えて、衣食住を見直して、肌のお手入れをして、生活習慣も気にして。今思えば、かなり真面目に、できることは一通りやってきたと思います。
それでも、事実として、アトピーは長い間治っていません。
良い時期と悪い時期を繰り返しながら、形を変えつつ、ずっと一緒にあります。
ある時ふと、「多分、今後も完全には治らないんだろうな」と思いました。
絶望、というよりは、静かな納得に近い感覚でした。期待し続けて疲れてしまった、という方が正しいかもしれません。
そこから、少し考え方が変わりました。
「アトピーを治すために頑張る」のを、やめてみよう、と。
代わりに考えたのは、「私が気持ちよく過ごすために、何をするか」ということでした。
保湿をするのも、刺激の少ない服を選ぶのも、睡眠を大切にするのも、やっていること自体は、正直それほど変わっていないと思います。
でも、目的が変わりました。
以前は、「治すためにやらなきゃ」という義務感がありました。
少し悪化すると、「ちゃんとできていないからだ」と自分を責めていました。
今は、「今日はこれをしたら、少し楽かな」「これは私には合っていそうだな」という感覚で選んでいます。
うまくいかない日があっても、「まあ、そういう日もある」と思えるようになりました。
この違いは、思っていた以上に大きかったです。
気持ちが、全然違います。
アトピーを治すことを目標にしていた頃は、ゴールが見えませんでした。
どれだけ頑張っても「まだ足りない」「もっとやらなきゃ」という気持ちが残っていました。
でも、「気持ちよく過ごす」ことを基準にすると、小さな達成感があります。
今日はかゆみが少なかった、
ちゃんと眠れた、
外出してもあまり気にならなかった。
それだけで、「今日はまあ良かった」と思えます。
もちろん、症状が軽い人、原因がはっきりしている人、治療で大きく改善する人もいると思います。
そういう方は、また違う考え方が合うのかもしれません。
ただ、「治したい」という気持ちが強すぎて、疲れてしまっている人がいたら、
一度、「治す」から少し距離を置いてみてもいいのかな、と思っています。
アトピーを諦める、ということではありません。
ただ、主語を「アトピー」から「自分」に戻す、という感覚です。
「アトピーのために何をするか」ではなく、
「私が今日、少し楽に過ごすために何をするか」。
その積み重ねの中で、結果的に調子が良くなることもありますし、ならない日もあります。
それでも、「自分の人生を生きている感じ」は、確実に増えました。
今も私はアトピーです。
多分、これからもそうだと思います。
でも、「治したい気持ち」に振り回されていた頃より、今の方がずっと楽です。
もし、保湿剤や生活アイテムを選ぶときも、「治るかどうか」より、「自分が心地いいかどうか」で選んでいいんだと思っています。
その方が、続きますし、気持ちも折れにくいです。
これはあくまで、私の体験です。
同じように感じる人もいれば、そうでない人もいると思います。
ただ、「治したい」に疲れてしまった人が、少し肩の力を抜くきっかけになればいいな、と思って書きました。
アトピーと折り合いをつけながら、自分の時間をちゃんと生きていく。
私は、今はその方が好きです。